農地転用許可における立地基準

農地転用における立地基準

農地転用許可における立地基準とは何かを理解しておかなければ、農地転用許可申請の相談に役所で面談をしても農政課等の担当者と話がかみ合わないため、きちんと把握しておく必要があります。

まず、農地転用許可は「一般基準」と「立地基準」の要件を満たすことが必要です。
立地基準は、以下5種類の農地区分から判断されます。

農地区分

  1. 農業振興地域内農用地(通称:青地)
  2. 甲種農地
  3. 第一種農地
  4. 第二種農地
  5. 第三種農地

この中で農地転用の許可がされやすいのが下から見た順となります。

農地区分それぞれの詳細

1.農業振興地域内農用地(通称:青地) 原則農地転用不許可

市町村が定める農業振興地域整備計画において、農用地区域とされた区域内の農地のことです。

この区域内の農地を農地転用しようとすると、農振除外が必要です。
多くの場合、農振除外の受け付は1年に4回、3か月毎しかありません。
そのため、農振除外が必要な農地転用は許可がされるまでに6カ月~1年程度かかるのが通常です。

農業振興地域整備計画は、5年毎に各市町村で計画されるもので、5年経過後は計画見直しのため1年間の農振除外申出の受け付けがされないことが多いです。

2.甲種農地 原則農地転用不許可

市街化調整区域内で、特に良好な営農条件を備えている農地のことで、具体的には以下の通りです。

  • 農業公共投資後8年以内の農地
  • 集団的に存在する農地で、高性能な農業機械による営農に適している農地

農業公共投資とは、一般的にパイプラインや農業用水路の整備などを指します。
この事業が完了後から8年以内は農地転用が出来ません。

3.第一種農地 原則農地転用不許可

市街化調整区域内で、良好な営農条件を備えている農地のことで、具体的には以下の通りです。

  • 集団的に存在する農地(概ね10ヘクタール以上)
  • 農業公共投資(土地改良事業等)の対象農地

第1種農地に該当する場合でも、第2種農地の要件に当てはまる場合は第2種農地に、第3種農地の要件に当てはまる場合は第3種農地となります。

4.第二種農地 条件により許可

第3種農地に近接する区域その他市街地化が見込まれる区域内にある農地のことで、具体的には以下の通りです。

  • 街区の面積に占める宅地面積が30パーセントから40パーセントの区画内にある農地
  • 500m以内に鉄道の駅や市町村役場(支所含む)がある農地(高速道路や自動車専用道路のインターチェンジの出入口は除く)
  • 市街化区域または市街地と同程度の区域の500m以内にある区域で、その規模が10ヘクタール未満の区域内にある農地
  • 農用地区域外で、甲種農地、第1種農地、第3種農地のいずれかにも当てはまらない農地

農地転用については、第3種農地や市街化区域等で実施困難と認められる場合、許可されます。
第2種農地に該当する場合でも、第3種農地の要件に当てはまる場合は第3種農地となります。

5.第三種農地 原則農地転用許可

市街地の区域内または市街地化の傾向が著しい区域内にある農地のことで、具体的には以下の通りです。

  • 住宅、工場、事務所、店舗、駐車場、公園等が連続して設置されている区域内の農地
  • 街区の面積に占める宅地面積が40パーセントを超える区画内にある農地
  • 上水道、下水道、都市ガスのうち2種類が簡単に配管できる状況にあり、500m以内に小中学校、幼稚園、大学、病院、診療所、文化センター、保健センター、図書館等の公共施設や公益的施設が2つ以上ある場所にある農地
  • 300m以内に鉄道の駅や市町村役場(支所含む)、高速道路や自動車専用道路のインターチェンジの出入口等がある農地

市街化調整区域にある第三種農地においても原則許可になりますが、申請の要件を満たした書類が必要なため簡単ではありません。

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